兵庫県姫路市夢前町。古来より酒米作りが盛んで、この辺り一帯「播磨」地域は日本酒造りの最古の文献が残る、日本酒発祥の地と言われています。この地に日本酒好きの仲間が集まり、酒米の田植えから始まり一年かけて自分達が一番旨いと思う酒を造り上げます。昔も今も変わらぬ播磨の良きものが時を超えて巡りあい、造り、味わう・・・酒米作り、酒の仕込み、全てを播磨の夢前町で行う、それが播磨日本酒プロジェクトです。
播磨風土記で読む
日本酒の歴史
現存する日本最古の地誌と言われる「播磨国風土記」。奈良時代に編纂されたこの書物には播磨の風土や神話が記載されています。これによると「庭音の村で干し飯にカビが生え、酒を醸して宴会をした」との記述があります。これは日本最古の酒造りの記述であり、日本酒発祥の地の一つといわれる由縁です。
麹
日本酒のルーツ
幻の麹菌
日本酒に関する最古の文献によると、播磨の庭田神社の裏の川に米を漬けていたらカビがはえて美味しいお酒になったという記述があります。その庭田神社で近年、なんと麹菌と酵母が発見されました。播磨日本酒プロジェクトでは「播磨古今」に、この日本酒のルーツとなる幻の麹菌と酵母を使用しています。
播磨風土記で読む
稲作の歴史
播磨は古来から米作りが盛んな土地でした。日本最古の地誌である播磨国風土記によると、大地を農業に適した土に変える神々の話が幾つか見られます。昔、多可の地には雲を衝くような巨人の神がおり、播磨の泥地を踏みしめて歩いたことで大地が固まり良い土になった――巨人の足跡は沼や池になったという記載があります。
飯塚の田んぼがある夢前町古知之庄の田土は稲作向きの粘土質。播磨は古代から米所であり、豊沃の地で米作りは古から今に受け継がれています。
LINEUP
夢前の田土と酒米の稲藁で 酒器を作る
日本酒を楽しむためには、器にもこだわりたい。そんな思いから播磨日本酒プロジェクトの酒器作りが2018年春から始まりました。
夢前の素材でできた酒器に、夢前でできた日本酒を注いで呑む。そんな夢前をまるごと味わう贅沢な一時を酒好きの仲間達と楽しむために、丹波焼の陶芸家・今西公彦氏を中心に、多くの酒好き達の協力のもと酒器作りプロジェクトが進められてきました。より夢前を感じながら味わえるよう、夢前の田土と酒米の稲藁を材料とした酒器を作るため、播磨の歴史を学びながら春には土を探し、酒米の田植えをし、秋には酒米の稲刈り、冬には稲藁を焼いて釉薬作り。様々な人が関わり、播磨の歴史を紐解きながら、夢前の酒器は完成しました。
陶芸家 今西公彦 氏
酒器
丹波焼
日本六古窯のひとつである兵庫県丹波立杭に拠点を置く陶芸家・今西公彦氏。古丹波を愛し、現代の感性で丹波焼に新たな息吹を吹き込む新進作家として注目されています。無類の酒好きでもある今西氏の提案で、酒米を育てている田んぼの土と山の土、酒米の稲藁の釉薬を使って酒器を作ることとなり、四季を通じて夢前の人々との交流を深めながら酒器を作りました。
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陶器の歴史
播磨国風土記には一風変わった神々の我慢比べが記されています。大汝命(オオナムチノミコト)と少比古尼命(スクナヒコネノミコト)が国造りのために播磨を巡っていた時のこと。大汝命が少比古尼命に我慢比べをしようじゃないかと持ちかけました。自分はトイレを我慢するから少比古尼命は重い土を担ぎ歩いて、どちらが長く我慢できるか勝負しようと。勝負を始めて数日後、我慢できなくなった大汝命が大地に屈みこんで用を足し、それを見た少比古尼命は爆笑、その勢いで土を放り投げました。その土が瓦や陶器の原料となる埴(はに)だったといいます。
播磨の土は米作りに適しているだけではなく、陶器にも最適な土が採れたということが風土記には記されています。
PROJECT MEMBER
ファームハウス
壺坂酒造
里湯ひととき 夢乃井
ニューサンピア姫路ゆめさき
ヤマサ蒲鉾 夢乃そば
+ 日本酒を愛する仲間達